研究施設の現状と将来計画 285
8.研究施設の現状と将来計画
分子科学研究所の各研究施設は,言うまでもなく,大学共同利用機関の施設として分子科学分野コミュニティーに 対して極めて重要な役割を担っています。各研究施設の現状,改善の努力,及び,将来計画の議論が本節にまとめら れています。詳細については,各節の議論を参照して頂きたいと思いますが,常に問題となるのが,設備の拡充と高 度化,及び,新規設備の購入の必要性であります。所内研究者や技術職員による高度化と改良の努力は常に行ってお りますし,予算の工面による共通設備の購入等も前述の通り少しずつながら実施してはいますが,まだまだ一部に限 られます。研究所自身の努力と共に,国の学術研究基盤支援強化が切望されるところであります。なお,昨年突然修 復不可能な故障で停止してしまった明大寺地区の自動ヘリウム液化装置は,文科省の計らいで,平成22年度予算で 措置され,新規装置の購入が可能となりました。
国の予算編成のあり方がなお流動的であると思われますので,今後,大学共同利用機関の共同利用・共同研究のあ り方や大学の分野コミュニティーとの連携のあり方等について,所内のみならず各方面との議論を深めていく必要が あると考えます。
(中村宏樹)